(6)隣接学会との交流+査読をめぐって (2017.01.04)

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つまり悪循環に陥っているわけです.全体委員会の中心的メンバーはそのことを認識しているのでしょうか.

科学史学会の場合、発表時間等よりも、交流したいような研究者があまりいない(来ない)というのが参加のモチベーションを下げる最大要因なのではないか。さらにいえば、少数ながら会いたくもない人がいたりするとさらにモチベーションが下がる。

posted at 19:32:16

まずは他の学会の状況を調査すべきでしょう.幸い,学会の運営そのものも科学史の研究対象です.多少は調査費も出して,調べてくれる若手研究者を募集したらどうでしょう.こういうときにタダで使おうとすると人手がない.それがこれまでの学会運営でした. twitter.com/kenjiitojp/sta…

posted at 19:36:59

3年前のSTAP細胞問題では,研究不正やピア・レヴューが問題になりましたが,これは科学史の守備範囲です.学術誌の編集(査読)態勢や,かつての類似案件(常温核融合など)の調査などを学会がすればよかったと思います.

posted at 20:21:05

査読や研究不正のようなテーマが関心を集めていました.調査に手間がかかりますから,調査費を支給することにして,若手研究者の応募を求めて学会が結果を公表すればよかった.調査した人の業績にもなります.こういう発想が今の全体委員会にはありません.

posted at 20:22:02

査読に関しては,私はそれまで一流誌はダブルブラインドだと信じていました(科学史学会の欧文誌はシングルブラインドですが,だからというわけではありません).この事件で,理系はシングルブラインドが当然なのだと知ったのは衝撃でした.

posted at 20:22:16

理系の人たちは査読付を強調するけれど,たかがシングルブラインド.私はダブルブラインド査読で,Ian Mueller大先生の論文を駆け出しの哲学の学生の論文だと思って滅茶苦茶批判して,後で冷汗をかいたことがあります.ダブルブラインドは査読者にとっても真剣勝負です.

posted at 20:23:14

現在では,ダブルブラインド制をとっても,初めての論文投稿でもない限り,ネットで調べれば査読者は著者が誰かほぼわかってしまいます.そのためダブルブラインド制の維持は困難ですが,捨てがたいメリットがあります.

posted at 20:23:48

投稿規定を変えて,投稿時には自分の過去の業績は他人のものとして言及し,forthcomingの業績への言及は控えることにすればダブルブラインド制は維持できるかもしれません.面倒ですが,ダブルブラインド制にはそれだけのメリットがあります.

posted at 20:23:58

話をSTAPに戻します.この事件の後,研究公正の講座をwebで受講せよという勤務校のお達しがありました.かつて常温核融合問題を調べまくって授業もした私も受講させられたのはお笑いですが,そのテクストに「プトレマイオスも研究不正をしていた」などと書いてあります.

posted at 20:24:30

ネタにした本はわかっていますが,科学史学会がちゃんと対応しないからこんな質の低いテキストが出回るのです.STAP細胞をめぐる混乱は,科学史の存在意義をアピールする機会というよりは,適切な情報提供の責任が科学史学会に課せられた状況でした.その責任が十分に果されたとは言えません.

posted at 20:26:12

翌2015年の年会では関連する記念シンポジウムが開かれましたが(宣伝になりますが,私は準備委員の一人でした),学会としてもっと迅速かつ積極的に対応すべきでした.

posted at 20:26:27


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