前にも紹介した中根美知代さんのブログは,『科学史研究』の編集方針への疑問から,「お友達の会」(グループを作って仲良くしているが,研究の向上には関心がない)への批判へと展開しています. michiyo-nakane.cocolog-nifty.com/blog/
日本科学史学会の全体委員会(で長年委員をつとめる中心的メンバー)の問題は「若手下働きイデオロギー」だけではありません.全体委員会は以前からの定型業務をこなす以外のことにきわめて消極的なのです.
科学史学会(年会)での一般講演の発表時間は20分(発表15分,質疑応答5分)です.これが短いという意見は前からあります. 20分は短すぎるから科学史学会で発表しない人もいそうです.だとしたら学会にとって損失です.
この「発表20分」の形は,私が知る限りでも1980年以来変わっていません.もっと前から踏襲されているのでしょう. 2007年の選挙のときにこの問題を,一言だけですが指摘しましたが,その後も全体委員会は何の対応もとっていません.
全体委員会は,発表者のニーズや研究発表の質的向上などに関心がないのでしょうか.科学史の研究・普及が目的であるはずの学会で,代々受け継がれた年会や総会という儀式をとどこおりなく終えることが自己目的化しているように見えます.
2015年の大阪市大での日本科学史学会年会の折に,私も準備委員会に参加したので,40分(発表30分,質疑応答10分)の「長時間枠」の設定を提案し,これが実現しました.その後の年会でも継続されています.
現在のところこの長時間枠は,博士論文準備中の発表者を優先するという形であるためか,発表者は非常に少数です.優先規定はそのままで,誰でも「今年は内容が充実しているから長時間枠で話したい」と思う人は発表できるようにした方が良いかもしれません.
こういうことを考えていくのも全体委員会の役割であるべきです.30年以上会員であった私から見ると,全体委員の常連の人々は,定型業務以外にはまことに怠慢であったと言わざるを得ません.いっそ会員から抽選で理事を選んだほうが活発な提案が出そうです.
それではどうせよというのか,特効薬はありませんが,まず小さな研究会や講演会を企画し,会員が学会を身近に感じられるようにし,また会員の提案は真剣に議論されるという信頼感を得るべきです.そうすれば学会運営にかかわろうという人も増えてくるでしょう.
2007年の選挙での私の提案が,(後に実現したものもありますが)全体委員会の全面的拒否にあったことは,ここで述べたのと正反対の対応で,会員の失望をもたらし,会員数の減少に拍車をかけたのかもしれません.2007年から継続的して全体委員の方々,如何お考えですか?
日本科学史学会の全体委員会をめぐる問題はこのくらいにします.皆様,よいお年をお迎えください.選挙は1月28日からの投票になります.#科学史学会選挙
新年の御挨拶を申しあげます.科学史学会役員選挙の立候補者は旧臘(死語か?)26日に確定したはずですが,会員がそれを知るのは1月下旬に科学史通信が届いたときです.投票は1月28日から.ネットがなかった時代の日程を踏襲.今どきありえない運営です.#科学史学会選挙
posted at 21:15:36
したがって,会長選挙が無投票ということも理論的にはありうるわけですが,可能性は非常に低いと思います.
posted at 21:15:46