(1)和文誌について(その2)(2016.12.16他)

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学術誌編集者の仕事の8割は良いレフェリーを選ぶことです.レフェリーの「良さ」には2つの要素があります.まず専門が同じでその論文のテーマに関する知識が十分なこと,もう一つは人柄というか熱心さです.

もとのツイート 11:14:32

10年ほど前に4年間だけ,大学院生の論文を載せる学内紀要の編集を担当しました.査読ありだったので査読者を探します.論文の参考文献などを手掛かりにネット上で検索して,面識のない他大学の先生にいきなりメールで査読を依頼したりしました.

もとのツイート 11:14:45

論文のテーマと同じ関心をお持ちの先生を見つけると,結構引き受けていただけます.大変助かりました.そういうレフェリーは論文の参考文献は当然読了済.査読もすぐ終わり,コメントは非常に的確で著者のためになりました.レフェリーの側も多少は得るところがあったと思います.

もとのツイート 11:15:06

5年目に同僚が名乗りをあげて紀要委員を交代しました.後になって「楽そうだと思ったのに大変じゃないか」と一言.うまくレフェリーが見つかるとは限りませんからね.

もとのツイート 11:15:20

『科学史研究』に戻ると,分野が広くて研究者が少ないので,論文のテーマぴったりの良いレフェリーはなかなか見つかりません.大変なことは分かりますが,だからこそ編集委員会の主体的な役割が重要です.単に文書を仲介する郵便配達ではつとまりません.

もとのツイート 11:15:35


2016.12.17

今日の最後に脱線しますが,学術誌で特集を組むということは,本来載らなかったはずの原稿,さらには書かれなかったかもしれない原稿でページを埋めることを意味します.それが後々参照される重要性を持つか,仲間うちの質の低い原稿を掲載する手段となるか,それは編集委員会次第です.

もとのツイート16:20:59


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